グルーピング&ラベリングの原則(基本) 問題の1問目、「スマートウォッチ」問題に寄せられたさまざまな解答例の解説をします。
機能と効果
まずはスタンダードな解答はこれです。
「機能と効果」パターンそのものの解説は「簡易版」「詳細版」でそれぞれご覧ください。非常によく出てくる基本形です。
特徴と効果
「特徴」は少々意味が広く、「機能」以外のものも含んでしまいます。
たとえば「この製品は真っ赤なロゴが目立ちます」「開発者は学生でした」のように、機能とは関係ないものも「特徴」と言えてしまいます。ラベルはできるだけ意味の狭いものを使うようにしましょう。
「効果」を「メリット」に変えても良さそうですが、「メリット」は「機能」を含む意味で使われることがあるので、これも少々意味が広いですね。
モニタリングとコスト削減
「モニタリング」は厳密に言えば「瞬時に分かります」のほうだけで、「リモート操作で対処が可能」のほうはモニタリングとは言えません。
「コスト削減」は少々微妙で、このラベルが使えるかどうかはもう少し上位からの文脈次第です。
たとえば実際にコスト削減につながる理由づけがあり、かつ、このシステム導入を検討する経営上の目的がコスト削減であるならば、このラベルのほうが良いと思われます。
逆に、「確かにそのようなコスト削減効果も期待できるけれど、システム導入費が高いのでトータルではかえってコストアップになる。けれど『負荷軽減』はコストアップになってもやるべきことなので導入すべきだ」というような状況であるなら、ここで「コスト削減」というラベルを使うのは得策ではなく、「損失・負荷軽減」のようなラベルのほうが良いでしょう。
通知機能と効率化機能
「瞬時に分かります」は通知機能と言えますが、「リモート操作で対処が可能」のほうは通知機能とは言えません。両者を合わせて呼ぶなら「遠隔管理機能」というラベルが使えます。つまり、下記のような構造です。
「効率化機能」のほうは、製品自体が持っている働きではないので「機能」という用語を使わないほうがいいですね。