ちょっと変わった仕事としてはこんなこともやっています。普段のメイン業務が「わかりやすい文書を自分で書けるように教える仕事」なのに対して、こちらは「代わりに書く仕事」です。
ある会社のITインフラ・アーキテクチャを情報システム人材に教えるための教材が必要になりました。設計書はあるもののそれはあくまでも高レベルな開発者間のコミュニケーションのための資料であり、ビギナー開発者や運用エンジニア、ユーザー部門が読んで理解するにはハードルが高すぎます。
そこで、設計書をもとにして教育用テキストを作ってくれませんか? という依頼を受けたわけです。その教育用テキストは何種類かの異なる情報を組み合わせて作る必要がありました。おおまかに言うと
- 基盤テクノロジー解説
- 業務上の要求事項
- 設計思想
- 設計仕様
の4種類です。
たとえば「東日本大震災クラスの大規模災害時もデータを失わない」というのが業務上の要求事項、そのために「ストレージは二重化し三世代のバックアップを東京と大阪に保管する」のであればそれが設計仕様です。その際に二重化や隔地保管にはそれぞれの基盤テクノロジー(RAIDやレプリケーションなど)があります。
「設計思想」は、設計上複数の選択肢がある場合にどちらを選ぶかについて一貫した方針を与えてくれる考え方です。有名な例ではボーイングとエアバスでは旅客機の設計思想がおおきく違うと言われています。
一般に、開発者が書く設計書そのものに書かれているのは「要求事項」と「設計仕様」であることが多く、「設計思想」は明示されていない場合があり、「基板テクノロジー解説」は通常書かれません。そこで、教育用テキストを作る場合は不足する情報を補い、読者の知識レベルに合わせて順を追って構成していく必要があります。その際、難解な概念については適度に「その機序を理解できる形で」図解します。
この種の、「難解な技術情報を初級者に教えるための教材を代わりに書く」仕事も依頼に応じて行っておりますので、具体的なご相談についてはお問い合わせください。