解説:高山病(しくみ・事象・対処)

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「しくみ・事象・対処」パターンの練習問題、「高山病」の解説です。先に出題を見て考えてからご覧下さい。

「しくみ」と「対処・対策」の対応関係

「しくみ」と「対処・対策」を比べてみると、両者の対応関係がうまく取れていないことがわかります。「しくみ」では「山頂までの工程」を書いているのに対して、「対処・対策」欄の内容は基本的に全工程に通用するものになってしまっています。

横方向の対応関係は必須

「しくみ・事象・対処」パターンを使うときは横方向の対応関係があることを必ずチェックしましょう。下記サンプルは「外気」-「寒冷地への移転」、「冷却システム」-「増強」など、対応関係があるように書いた例です。うまく対応づけられていない場合はたいてい「しくみ」の構造化ができていません。

「問題」はしくみの構造に沿って起きるため、しくみの構造を表現できていないと問題解決のヒントを得にくくなってしまいます。

では、この「高山病」問題は具体的にはどう書けば良かったのでしょうか?

人体のメカニズムに注目

「高山病」は人体のメカニズム、この場合は「外気中の酸素を肺で吸収して全身で消費する」というしくみが酸素の薄さに対応できずに起きるものです。したがってそれを書けばOKです。

なお、上記の例では「事象」と「原因」を分離したほうがわかりやすいのでそうしています。

しくみが大筋正しいのに対応関係がない?

ただ、よく見ると「水分補給」に対応する「しくみ」や「原因、事象」の情報がありません。こんなふうに、ある程度できているように見えても部分的に情報が抜けているケースはよくあるので注意しましょう。

実は高山病は「酸欠」と「脱水」が複合して起きることが多いので「水分補給」も対処に含まれます。そこで「しくみ」に水分の話も加筆します。

完成形

しくみ、原因、事象のそれぞれに水分の情報も加えた完成形はこうなります。

以上、「高山病」問題の解説でした。仕組み・事象・対処のパターンは横方向に対応関係があるように書くことが非常に重要なのでご注意ください。

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