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長い話には短い見出しをつけよう
グループ/パラレル/シリーズの構造と並んで重要な考え方に、カテゴリーとサマリーのラベリングというものがあります。
ラベリングと言うのは要するに「長い話には短い見出しをつけろ」ということで、その「短い見出し」のことをラベルといいます。
実例を見ましょう。たとえば下記のような文章があったとして(熟読不要、サッと眺めるだけで可)
これに見出しをつけるとこうなります。
そこで、「長い本文に対してつける短い見出し」のことを、以後、「ラベル」と呼ぶことにします。
カテゴリーとサマリー
実は、ラベルにはカテゴリーとサマリーの2種類があります。超短い例を挙げれば「気温は30度です」という場合の「気温」がカテゴリーラベルで「30度」がサマリーです。もう少し長い例だと以下の通り。
「東京の夏の気候」だけだと、暑いのか寒いのかさっぱり分かりません。こういうのがカテゴリーラベルで、「高温多湿で熱帯より過酷」と具体的に結論を出しているのがサマリーラベルです。
大量の情報を効率良く伝えるためには、カテゴリーとサマリーのラベルが必須です。
カテゴリーラベルは「必要な情報がある場所を素早く探す」ために役立ちます。図では東京、ハノイ、ロンドンと3箇所の情報が載っている例ですが、東京にしか用がない人は東京のセクションだけを読めばいいので、カテゴリーラベルがきちんとついていれば不要な情報を読まずに済みます。
一方、サマリーラベルは「長い本文を読まずに済む」ようにしてくれます。
実のところ、ラベルのない文章はよくありますが、誤解されやすいですし、すぐに忘れられてしまいます。
食材の話をしているので「何かの料理の作り方?」かと思われたようです。そうじゃないよ、ということがきちんと伝わるようにしたければ、
こうすれば少なくとも食中毒予防の話だということは通じますね。ここで最初に出てきた「食中毒を防ぐポイント」というのがカテゴリーラベルです。ご覧の通り、カテゴリーラベル、サマリーラベルというのは文章ではなく口頭で「喋る」場合も役に立ちます。
今度はサマリーラベルも使ってみましょう。
「サマリー」があれば大事なポイントまで通じるわけです。何かを報告するたびに「話が長い」と言われがちな人はたいていこの「カテゴリーとサマリー」が出来ていません。
ロジック図解はGPSとカテゴリー/サマリーの組み合わせ
実はロジック図解は基本的にグループ/パラレル/シリーズとカテゴリー/サマリーの組み合わせで出来ています。ロジック図解は、
- 長い文章の中から言葉を選んで、
- うまいカタチに並べる
ことで作りますが、「言葉を選ぶ」のがラベリングで、「並べる」のがグループ/パラレル/シリーズなわけです。
GPS編で出てきた図でもカテゴリーラベルとサマリーラベルが使われていました。(グループ名はカテゴリーラベルでもある場合が多いです)。
以上がカテゴリーラベルとサマリーラベルの基本ですが、ラベリングする際のこまごました注意点がいくつかあります。
これらについて具体的には別途紹介します。
何度も言いますが、GPS同様、カテゴリーとサマリーも理屈は単純ですが、普段からやっていないとうまくできませんので、1日数分、数行程度の文章からカテゴリーとサマリーを探す練習をしてください。