図解が必要なのはなぜ?

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情報を整理する必要があるのはわかったとして、それは「図解」しなければいけないのでしょうか?

複雑な情報だと図解で圧倒的にわかりやすくなるケースがありますが、大したことのない情報まで図解するのは手間がかかるだけで非効率です。図解が必要かどうかは、そのメリット、デメリットを考えて判断しましょう。

まずは図解していない例です。前の記事に出てきた食材リストを文章で書いてみます。

【例文1】今日は牛乳、チーズ、シリアル、ベーコン、トマト、ピザ生地、豚ロース、パン粉、ピーマン、ヨーグルト、卵、キャベツを買う。

次にこれを分類したものを文章で書くとこうなります。

【例文2】今日は野菜売り場でトマト、ピーマン、キャベツ、乳製品売り場で牛乳、チーズ、ヨーグルト、肉売り場で豚ロース、ベーコン、あとはシリアル、ピザ生地、パン粉、卵を買う。

あまり変わって見えませんね。つまり、

文章だと、整理されているかどうかを短時間で判断しづらい

という問題があります。このため、文章で書いた情報は「整理されていない、つまり品質の悪いままで残りがち」です。

もうひとつ、たとえば次の例だとどうでしょうか?

【例文3】今日は野菜売り場でトマト、ピーマン、キャベツ、乳製品売り場で牛乳、チーズ、ヨーグルト、豚ロース、ベーコン、あとはシリアル、ピザ生地、パン粉、卵を買う。

例文2と何が違うかわかりますか? 実は例文2から「肉売り場で」という一言を抜いてあります。ちらっと見ただけではこれにはなかなか気がつきません。ところが、図解していればこんなふうになります。

「ベーコン」の上に妙に空白があって、本来書くべきものが何かモレているらしいことが一瞬でわかります。きちんと整理された図であれば、このように一部の情報がモレていると非常に目立つので、そのまま忘れられて放置されることはありません。文章だとどうしても「出来の悪さが目立たないので放置されやすい」のに比べると、これは大きなメリットです。

といっても、もちろんそのためには「モレが目立つように図解する」必要があります。たとえば、書いている文字は同じでも下記のバージョンだとダメです。

見出しと個別要素の色分けをなくしただけでこうなってしまいます。「こんな下手な書き方はしねえだろ常考……」と思いたいところですが、実はわりとよくあります。(最近もとある官庁の資料でこの種の失敗を見たところ)

さて、ここでもういちど例文3を振り返りましょう。

【例文3】今日は野菜売り場でトマト、ピーマン、キャベツ、乳製品売り場で牛乳、チーズ、ヨーグルト、豚ロース、ベーコン、あとはシリアル、ピザ生地、パン粉、卵を買う。

↑つまり文章というのは「見出しと個別要素を区別していない図解」のようなものです。実際には「区切りの空白もなくつながっているので、下手な図よりもさらにわかりにくい」のが普通です。

だから、複雑な情報を伝えるためにはきちんと整理して図解する必要があります。

といっても、「きちんと整理する」というのは実は難しいのですが、それをやらないと「仕事がうまく進まない」以上、やらなければいけないのです。

(では、どうすればできるようになる? という問いへの答は別記事にて)

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