事例:「しくみ・対処」パターンで考えるストレス解消モデル

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簡単な問題であれば図解も情報整理も必要ないのですが、ある程度複雑な問題になると単なる文章では手に負えなくなります。そこで、少々難易度の高い問題について「しくみ・事象・対処」パターンで整理した事例を紹介しましょう。

心理的なストレスを解消するための行動である『コーピング』にどんなものがあるかを理解しやすく、覚えやすくなるように構造化をした例です。

ストレスとストレス反応

まずはストレスとストレス反応を単純化したモデルを作ります。外部からの刺激(ストレッサー)により本人の内部にストレスがたまり、それがストレス反応として現れる、というものです。

ストレス解消行動(コーピング)の列挙

「ストレス」を解消するための行動をコーピングと言い、大まかに5種類あることが知られています。

この5種類を単に上のように列挙するだけでは覚えにくいので、何らかの構造化を図りたいところです。そこで、ストレッサー → ストレス反応のモデルとの間に対応関係を探します

対応関係を考える

大まかに言って、ストレッサーそのものを防ぐか、ストレスになってからそれを和らげるかのどちらかです。(「ストレス反応」に対応する項目はありません。これはコーピングというのは「ストレスを解消」するための行動であり、それができればストレス反応はそもそも起こらないからです)

この上でもう少し解像度を上げましょう。5種類のコーピングにそれぞれ対応する何かを左側のストレッサー→ストレス反応モデルのほうに書き加えてみます。

対処の項目に合わせてしくみを考察

「ストレッサー」から「問題」を分離すると「積極的問題解決」と「回避・休養」に対応づきます。「見方を変える」「放棄・あきらめ」「相談」をそれぞれに関わる具体的な言葉、たとえば「イヤだなー」「私のせいだ」「誰も助けてくれない」にすると、「ストレス」も細かく見れば「嫌悪」「自責」「孤立」のような感情に分解できそうです。

こうして構造化すると、5項目の単なる列挙だった「コーピング」が「問題→ストレッサー→ストレス」のしくみに関連づいてより深く理解できるし覚えやすくなると思いませんか?

(注:この事例では、「売り上げが上がらない」や「上司に怒られる」などの、通常は「事象」と扱うネガティブな出来事を「しくみ」に含めています。題材が「ストレッサー→ストレス反応」という話題なので必然的に「しくみ」にネガティブ事象が含まれるためこのようにしてあります)

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